陰陽師ロード [陰陽道]
今回は荒俣宏氏著書「陰陽師ロード」と「陰陽師-安倍晴明の末裔たち」の感想です。
荒俣先生は、安倍晴明、平安陰陽道については、岡野玲子先生の「陰陽師」で解説済みなので、その外側、安倍晴明の子孫や高知県物部村のいざなぎ流等、陰陽道に関係して、現代に残る話を紹介していこうというスタンスでこれらの本を書かれたようです。
安倍晴明の子孫、土御門家の本家、「土御門神道本庁」
高知県物部村に残る陰陽道の民間伝承「いざなぎ流」の祭具
全国各地に残る安倍晴明と陰陽道の足跡、当時から現在に至るまでの陰陽道のあり方、密教と修験道との関わり、暦を作る為の天文観測の話。いろんな切り口、当時の状況を他の陰陽道の解説本と違った視点で解説してありました。
また、安倍晴明のライバルだったとされる蘆屋道満についても、播磨になぜ民間陰陽師が多かったのか、法師陰陽師についても解説がありました。
蘆屋道満像
また、晴明の子孫の土御門家の歴史についても様々な解説があり、土御門家が陰陽道を統括する為にはそうとうの苦労があったようです。
福井県名主庄、土御門神道本庁ある4色鳥居
謎が多い、安倍晴明の出生地は様々な説があるらしいですが、①大阪説②讃岐説③茨城説が有名で、①大阪説③茨城説についての解説がありました。特に関東には、土御門家の陰陽師が進出していた事実があり、今まで知らなかった事実を確認出来ました。
私は安倍晴明の出生地は②讃岐説だと思っています。讃岐の歴史書の中に晴明の出生の話が出てくるらしいですが、真言密教の開祖「弘法大師・空海」の出生地でもあります。見えない力を大事にする土地柄ではないかと思っています。今年の夏、四国旅行を計画している私ですが、讃岐に行って調べてみようと思っています。
讃岐の善通寺。空海の出生地で有名。安倍晴明も讃岐に行った時、門前を通り、晴明の式神が空海を恐れたともいわれています。
陰陽道において、現代でも呪術を行っているのは、以前のブログで紹介した高橋圭也先生その他の現代の陰陽師、晴明の子孫の土御門神道、そして荒俣先生が紹介しているいざなぎ流です。私の確認出来た範囲ですが・・・
そのいざなぎ流についてですが、高知県物部村、未だ開発の手の及ばない自然に囲まれた土地らしいですが、この地に陰陽道の呪術の民間伝承が受け継がれているそうです。
高知県物部村
その昔、修験道の聖地、三重県熊野の荘園だったそうですが、どういうルートで陰陽道が伝わっていったのでしょうか。どのように現代までその伝承が残ったのでしょうか。とても興味深いです。
三重県熊野の那智の滝
いざなぎ流の祭事や、神様をかたどった紙幣のクラフト講座等は最近都会の方で行われているらしいです。参加してみたいものです。
東京で行われた、いざなぎ流祭事のワークショップ
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